2022年11月11日(金)~1泊2日で、念願だった斜陽館を訪ね、太宰の足跡を辿ってきました。
書きたいことは山ほどあるのだが、とりま、雲祥寺について。
東大生だった太宰が弟子入りした井伏鱒二が、昭和7年に「甲の上」と評してくれた『思ひ出』という作品がある。昭和8年、太宰24歳の時『海豹』という同人誌に発表。
昭和11年、ついに文壇デビューとなった第一創作集『晩年』に再録された。
幼少時から思春期までが描かれ、子守のタケに連れて行かれたのが、このお寺だ。
道徳を教えるためにタケが見せた地獄絵は、今は公開していないそうだが、ご住職の奥様だろうか、落ち葉掃きをしていたご婦人が、「窓の外からになりますがのぞいてみて下さい」と本堂を指して下さった。
残念ながらよく見えなかったが、無理くり写真を撮ってみた。
残念ながらよく見えなかったが、無理くり写真を撮ってみた。
太宰が回した金輪の残骸が、幸運にも境内にあったので、私も回してみた。
そのまま止まれば極楽行きで、止まりそうになってカランと逆に回ると地獄行き…と『思ひ出』にあった。
2008年に新しくなった金輪も回してみた。
2008年に新しくなった金輪も回してみた。
そこには、『津軽』という作品より金木文化に贈る言葉として「汝を愛し 汝を憎む」と刻まれていた。
芸術とは、愛憎に引き裂かれた傷口から生まれるのかもしれない。
金子みすゞもまた然りだろう。
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