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2022/11/14

【太宰紀行@雲祥寺】

 2022年11月11日(金)~1泊2日で、念願だった斜陽館を訪ね、太宰の足跡を辿ってきました。

書きたいことは山ほどあるのだが、とりま、雲祥寺について。

東大生だった太宰が弟子入りした井伏鱒二が、昭和7年に「甲の上」と評してくれた『思ひ出』という作品がある。

昭和8年、太宰24歳の時『海豹』という同人誌に発表。

昭和11年、ついに文壇デビューとなった第一創作集『晩年』に再録された。

幼少時から思春期までが描かれ、子守のタケに連れて行かれたのが、このお寺だ。

道徳を教えるためにタケが見せた地獄絵は、今は公開していないそうだが、ご住職の奥様だろうか、落ち葉掃きをしていたご婦人が、「窓の外からになりますがのぞいてみて下さい」と本堂を指して下さった。

残念ながらよく見えなかったが、無理くり写真を撮ってみた。
           

太宰が回した金輪の残骸が、幸運にも境内にあったので、私も回してみた。



そのまま止まれば極楽行きで、止まりそうになってカランと逆に回ると地獄行き…と『思ひ出』にあった。

2008年に新しくなった金輪も回してみた。
          

そこには、『津軽』という作品より金木文化に贈る言葉として「汝を愛し 汝を憎む」と刻まれていた。



芸術とは、愛憎に引き裂かれた傷口から生まれるのかもしれない。

金子みすゞもまた然りだろう。






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