【谷英美による金子みすゞの研究・『仲なほり』という詩について 】
金子みすゞ全集には、絶版となった全3冊から成る旧全集と、その3冊をそれぞれ上下に分けた、6冊から成る新全集とがある。
今回、問題にしている『仲なほり』という詩は、新全集では『空のかあさま』の下巻、120ページにある。
旧全集では、『空のかあさま』の226ページにある。
また、旧全集別冊付録の解題86ページに、以下のように書かれている。
三連と四連の間に四行あり。「四行けづる」のメモ書きがあり、削除した。削除した部分ー
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きのふ、おとつひ、さおとつひ、
ものもいはずに、ゐたけれど、
なにかふしぎな、なつかしい
霞のなかに、とけてゐた。
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しかし、新全集では何の説明も付されていない。
この4行についてみすゞが推敲したことは、読者にとって、とても大きな情報ではないだろうか?新全集で、このことに触れないようにした理由が、私には全く理解できない。
まどみちお他5名で編集した旧全集を絶版にし、自身の単独編集による新全集を出版したのは、金子みすゞについての権威とされている矢崎節夫氏だ。
が、ことほどさように矢崎氏の出版は、詩人の命である言葉に対していかに不誠実であるか!!!
時間を見つけて、少しずつUPできたらと思っている。
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