今回の取材の1番のミッションは、鯨法会に参列することでした。
みすゞが詩に書いた行事だから。
日本で有数の捕鯨基地だったこの地では、今でも毎年、浄土宗では鯨回向、浄土真宗では鯨法会が営まれている。
▲3ヶ寺の持ち回りで今年は西覚寺さんみすゞは熱心な真宗の門徒だったと言われている。
その回路が自分の中に開かないと、みすゞの心の奥底に降りてゆけないような気がして…
法要の後の御法話は、思わず涙するほど胸に沁みるものだった。
…と思ったのも束の間、金子みすゞについて「夫が酷い人で詩作と詩友との文通を止められ離婚後、酷い夫から娘を守るために自殺」という文脈で方丈様が語り始めたのだ。
「ちーーーがーーーーうーーーーー!!!」と心が叫んでた。
世間のほとんどの人がそう思ってるけど。
権威とされているあの方が『金子みすゞの生涯』という本に、そう書いちゃったから。
でも、違うのですよ!!!
もうほんっとーーーに自説と事実は、ちゃんと区別して欲しい。
アノ本のために、みすゞの元夫側の方々が、どれほどの迷惑を被ったか!!!
ご親族は「ああいう書き方をするのなら事前に見せて欲しかった」とおっしゃってます。
元夫はすでに亡くなってますが、息子さんご夫妻は「死後の人権」について、弁護士に相談したことまであるのです。
もうこれは、人権、人道上の問題だと思います。
反論の場のない者を、一方的に悪者にするなんて!!!
だって、みすゞの娘のふさえさんは、みすゞの死後、紆余曲折を経て、結局元夫が引き受けたのですよ。
ふさえさんにとっては父ですから。
そこには親子としての当たり前の生活があったのです。
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